個人的な年金と生活保護論

私は年金の意義は引退した後も健康で文化的な最低限度の生活を保障するための物だと考えている。
そして、生活保護は年金の特別な例であると解釈している。
また、逆の言い方をするならば年金とは生活保護の特殊な例で有るとも言える。
つまり、生活保護も年金もは生活するのに足る収入がない者に対する社会保障であると解釈できる。
したがって、年金で保障すべきものは最低限の生活ができるだけの金額を支払うことのみであると私は解釈している。
むろん、平均余命を生きた場合に年金の保険料として自らが支払った保険料と同等の価値(インフレ、デフレがあるため同等の金額ではない)が支払われるではあるが、それだけの額の保険料を納められないものに対しては共助という精神から。最低限の生活ができるだけの金額を支払うべきである。

ここで生活保護と年金の違いの最たる点は、生活保護は生活の困窮を条件に受給の権利が認められるのに対して、年金は自らが自らが保険料を払うこと、所定の年齢に達していることの二つの条件によって受給の権利が認められると言う点である。


生活保護は安易にこれを頼って受給することを認めず、本当に困窮を極めている者で、かつ困窮から抜け出すための努力を行う者(および、特別な理由によってその努力すらできないもの)のみに支払われるべきものである。
しかしながら現状として生活保護の受給が既得権益化し、働く意志のない者に対して行われたり、収入があるにも関わらず収入を報告せず不正に受給する者など、受給すべき者で無いものが受給している場合も多く本来受給すべき者が受給できないなど多くの問題がある。
このような不正な受給の場合、当然受給を強制的に停止させるべきだと言うことは間違い有りませんが、実際にはうち切られることは少ないという話もある。

生活保護を受けている場合は年金の掛け金を支払うことができないはずですが、国民年金には掛け金の支払を免除される制度があり、事実上3分の1の掛け金を支払っていると見なされます。


年金は自ら保険料を払った者に対してはこの受給を妨げることは認められない。
逆に言えば、保険料を支払わない者(特別な理由で免除された者を除く)に対してその受給の権利を認めることは決してあってはならない。
また、保険料の額に対して相当の額が支払われることが求められる。

現在の年金制度は大きく分けて国民年金、厚生年金、共済年金と三つの種類があり、最大で3階建てとなっている。
具体的には厚生年金の場合、1階が基礎年金、2階が厚生年金、3階が厚生年金基金となっている。
また、第1号〜第3号被保険者までに分類されておりこのうち第3号被保険者は年金保険料の支払いを行っていない問題(サラリーマンの妻問題)がある。
この問題への対策は現状では特に考えられていないが、アルバイト、パート労働者に対して厚生年金への加入を義務づけることで、このうちの数%は今後保険料を支払う必要が出る事になる。
また、第1号被保険者には3階部分がないと言う問題も知られている。
したがって、これらの不公平をなくすために年金を全て厚生年金に一元化するという方向に現在話が進んでいる。


そこで、私は次のように考える。
まず、年金は全て厚生年金に一元化し4階建てにする。
1階部分の基礎年金で最低限の生活を保障する。
これは、年金を受給する権利を持った人の最低限の生活ができるだけの金額のみを支払う部分で、国からの税金と基礎年金保険料の一部からこれを捻出する。
2階部分の厚生年金では自らが支払った厚生年金保険料の総額から基礎年金分を引いた額を平均余命で割った額が最低レベルでも支払われる。
厚生年金は自らの給与と企業が同額ずつ支払う保険料の合計に比例し、高額所得者になるほど増加率を小さくする。
イメージとしては個人が年に1単位の保険料を払った場合には個人と企業合計で2単位の負担となり、個人が支払った額の200%が帰ってくる。
対して、裕福な個人が一定の単位以上、支払った場合には、個人が支払った額の100%が帰ってくるというイメージである。
3階部分は、厚生年金基金の部分を変更したもので、希望する個人ごとに1000円以上の掛け金を掛けることで受け取れる年金の額を増やせる部分で、確定拠出年金のようなものである。
4階部分は年金の運用によって得られた利益を分配する部分で、この部分は全て平等に分配される。
また、集めた資金の運用に関しては国にインフレ率と利率が連動する超長期の国債を作り、この国債での運用の割合を大きくすることで、個人の支払った額と同等の価値の支払を担保する。
このような方策によって最低保障としての基礎年金、自分の支払った年金保険料の保障としての厚生年金を受け取ることができる。

このやり方だと、2階部分の企業が支払った分をどう分配するかを調整することで、支払額を減らしたり、積立額を増やしていくことが出来るはずである。
また、この部分の調整によって生活保護のための予算を捻出することも出来るハズなのでそれを財源に生活保護も行うと言うのが私のアイディアです。


・・・と、まあ個人的な年金&生活保護論でした
ま、根拠はないので突っ込まれても困るけど(笑