男性蔑視と差別の話

世界には様々なウィルスが溢れている。
それに対して自衛を行わず「大変なこと」になってもそれは「リスクを過小評価した」自己の責任だろ?
もちろん、故意にばらまいてるのがいるならそいつが悪いことは確かだけどね。


・・・それが、インターネットの世界でも、リアルワールドでもね。



・・・というわけで、最近話題のネタにいまさらながら燃料を投下してみる。
なんというか、この論争は今ひとつグッとこない
「男 VS 女」みたいな論議になっててので根本的な話が置き去りになっている気がしてならない。


元ネタは↓あたりを参照のこと

○強姦するのが男の性なら去勢するのが自己責任でしょ - フランチェス子の日記
http://d.hatena.ne.jp/Francesco3/20091129/1259458069

○性犯罪を容認する発言を許す産経新聞へ抗議しました - 「あなたは悪くない」別館
http://d.hatena.ne.jp/manysided/20091129

○【曽野綾子】ミニスカ論争〜被害者語り【まとめ】 - 隠フェミニスト記(仮)
http://d.hatena.ne.jp/nagano_haru/20091203/1259844184

曾野綾子とミニスカート - Ohnoblog 2
http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20091201/1259678004

○「男はケモノ」が「女性の自衛」と結びついていること自体が差別 - 過ぎ去ろうとしない過去
http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20091203/p1

○男は夜道で刺されても当然 - シートン俗物記
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091202/1259763746

○ミニスカ論争 - キリンが逆立ちしたピアス
http://d.hatena.ne.jp/font-da/20091202/1259762023

○ミニスカートが作られた目的は、誘惑じゃなくて税金対策 - みやきち日記
http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20091203/p1



個人的な結論としては男女を問わず「リスクを感じるのであれば自衛すべき」だし、「リスクを想定しないのは自己の責任」ということでFA。
厳然として存在しているリスクから目をそらすのは止めようよ全然建設的じゃないから


要点をちょっと細かく分解するとこんな感じかな?

  1. 「故意に」犯罪を犯したものは絶対的に悪である。
  2. 「故意に」犯罪を犯すものは確実に存在する。
  3. それに対して「リスクを感じるならば」自衛の手段を考え自らの身をどう守るかを考えるべきである。
  4. 自衛の手段をとった取らないにかかわらず、犯罪に遭遇するリスクは厳然として存在する。
  5. 自らのリスクを回避するために自らの行動を制限することは正しい。
  6. 自らのリスクを回避するために善良な他人の行動を制限することは間違っている。
  7. 「社会全体のリスク」を回避するために「特定の」犯罪者の行動の制限を強要(豚箱行き)することは正しい。
  8. 特定のグループ(男性、会社、地域、部落など)を想定しそのグループの行動の制限を強要することは差別である。
  9. ただし特定のグループが明確に犯罪を行おうとしている場合は例外である


・・・つうか、どの元ネタかは言わないけど、自分の身を守るための行動制限が不都合だからといって多数の他人の行動を制限することが正しいと言い切るとか、あんたはどれだけ偉いのかと小一時間問いつめたい
あなたの言っていることはつまり、男性に対する差別に他ならないことを理解しましょう。



おまけ

自衛の方向性はいろいろあるが、ざっと考えつくことを例示してみる。

  • 自衛手段の習得
  • 装備面での注意
    • 走りやすい靴
    • 逃げやすいような服装
  • 行動面での注意
    • おそわれるような場所に行かない
    • 明るい道を歩く
    • 暗くても人通りの多い道を歩く
    • 駅の近くに引っ越す
    • 退避場所(交番、コンビニなど)の位置を確認しておく
    • 親族に迎えに来て貰う
    • タクシーの利用

追記:
いくつかブックマークで突っ込まれているので反応しておきます。


■「自制と自衛」
一部に誤解があるようなので言っておくと、私は女性に対して自制を求める気はありません。
厳然として存在しているリスクに対して自らの身を守るのは最後は自衛以外にあり得ないと主張しているのです。
最終的にあなたを守ってくれるのはあなた自身しかない・・・と。


自衛をせずに犯罪に巻き込まれたからと言って合意無しに他の「善良な他人」にコストの支払い(去勢すべきだとか・・・)を要求することはむろん否定します。
自衛しないことのリスク、コストは自分で支払えよ・・・と


自衛をせずに犯罪に巻き込まれることは私にとっては知ったことではありません。
水と安全はタダという考え方をしている方がコストを支払わず犯罪に巻き込まれることにまで責任を取ることは誰にもできないことです。
自らの安全は自ら守らねばならないのです。
女性は守られて「当然」なんて幻想は捨ててくれ。


この論議は「泥棒がいる、鍵をかけないで外出した、モノを盗まれた、警察の責任だ」
・・・そう言うナンセンスな論議にしか私には見えません
無関係の第三者に責任を押しつけるのはやめようよ・・・と


■自衛はだからみんなしてる(manysided さんより)
具体性がないので反論しようがありません。


そこで、問いかけたいことがいくつかあります。
具体的にここで示した自衛方法の以外でどう自衛しているのですか?
あなたはここで示した自衛方法のうちいくつを実践していますか?
自衛方法のうち実践していないものはなぜできないのですか?
自衛のためにコストを支払う気はありますか?


■自衛の方法が非現実的(manysided さんより)
具体的にどのあたりが非現実的なのか解りません。


○A.親族に迎えに来て貰うのは無理と言った話がブログの方に書いてあったのでまず、これについて反論してみます。

前項とも絡む話ですが、ひとつの方法が出来ないからと言って他の全ての方法を否定していませんか?
リスク回避の手段は列挙したように一つではありません。
リスク回避のための方法は複層的にいくつも積み重ねることで個々のリスク要因を減らすものです。

具体的に(1)「おそわれるような場所に行かない」、(2)「走りやすい靴」、(3)「最小限の護身術の習得」の三つを例に取ってみましょう。
これはそれぞれ「ターゲットにされない」、「追いかけられた場合に逃げやすいようにする」、「捕まりそうになった場合に反撃する」とそれぞれ別のリスクを避けるための手段です。
このように大きなリスクの中の複数のリスク因子に対して別々の方法できちんと対処することができます。


1.ターゲットにされなければ危険はありません。
2.ターゲットにされても安全な場所へ逃げられれば危険はありません。
3.ターゲットにされて、追いつめられても相手を無力化してしまえば危険ではありません。
・・・・
N.○○ても○○れば危険はありません。


・・・といくつもの自衛のためのオプションを積み重ねることで自分の身を守るのが正しいリスク回避の方法ではないでしょうか。


○B.コスト面で難しいと言う話?
ある一定のリスクに対しそれ相応のコスト(金銭、時間、行動など)をかけられないと言うのであればそのリスクは許容するしかありません。
別の方法を自ら考えてリスクを回避しましょう。
本当にそのリスクを回避したいのであればコストをかけるべきです。
数億分の一、数兆分の一の確率で発生するリスクの全てを回避しようと思うのであれば相応のコストを支払いましょう。

コストとリスクのバランスは個人によって違うとは思いますが、現実的にあり得ないことまで膨大なコストを払って回避するのは無駄というものでしょう


■ミニスカ悪いとか男は獣とか言ってる馬鹿野郎共は「善良な他人」じゃなくて夜道でミニスカ女性を襲う強姦魔予備軍確定。レッツ拘禁!(agricola さんより)
・・・ぷ
冗談としてはおもしろいです。
ミニスカ悪いと言ってる人は全て犯罪者扱いですか?
それは「明確な差別」です。

いつから日本は主観で犯罪者と断定する独裁国家になったのでしょう?
法治国家としては法を「やぶった者」以外を犯罪者扱いするのは明らかな間違えです。
法に不備があるならその法を変えるのがまず第一歩でしょう。
法の原則を個人の主観がねじ曲げるような言説は議論に値しません。


■”「男 VS 女」みたいな論議になっててので根本的な話が置き去りになっている気”でオチが男 VS 女かよ(SIVAPROD さんより)
結論は「リスクを想定しないのは自己の責任」、「リスクを感じるのであれば自衛すべき」です。
さらに追加するなら「リスクを回避するために払うべきコストは自分で払え」・・・ですかね〜


■ふむ。要するに獣やvirusに例えたがる人って「♂はバカだからしこうのうりょくがないんです><」って言いたいんだね。どっちが男性蔑視なのかよく考えてみたらどうだろう。あと再度言うが君と一緒にされた獣が可哀相(koisuru_otouto さんより)
思考能力があるならば、男女に関係なく全ての犯罪を今すぐに完全に無くすことはできないと言うことは(法律無くせばとか、人類滅亡させればとか言う屁理屈はおくとして)自明だと思う。
んじゃあ、どうすればいいのよと考えた時に最終的に自分の身は自分で守るしかないって考えることってなにか間違ってます?
警察以外の他の人にそのコストを支払わせるのが正しいと言うのであればなぜ正しいと考えるのか教えてください。



追記2:
■結局、自衛自衛言いながら「マイナスイオンは体に良い」レベルのことしか言えないから、防犯論をダシにした被害者叩きであることがわかってしまうという。 (kurotokage さんより)
うーん、被害者叩きのつもりはないんですけどね〜。
もし、自衛すること以外でほかの「善良な他人」に合意無しでコストを払わせることなく身を守る方法があるのであればご教授ください。


■最近話題のネタにいまさらながら燃料を投下してみる』/「ネタ」「燃料」実に不誠実極まりない態度なんだけど本人うまいこといったつもりになってるのはどうなのよ。(Cunliffe さんより)
事実をありのままに書いただけで上手いことを言ったつもりはないです。
この手のジェンダー関連のネタは良く炎上するし、きっとこれを書いても燃料にしかならずほとんどまともな議論にならないだろうなと・・・そう素直に思った次第でして・・・


法治国家論がでたらめ/「特定の」拘禁されるべき者と、「善良な」者の線引きが、事前に出来るんかよ?(buhikun さんより)
それが本当に事前にできるなら警察なんて要りません。
あなたは、事前に法によらず主観で犯罪者と決めつけ拘禁する国家をのぞんでいるのですか?
ここで言う「特定の」拘禁されるべき者とはつまり犯罪を犯したモノを示しています。


それがどういう素性であれ法を犯すまでは全ての人間を「善良な者」と「仮定」します。
むろん、問題は常に起こることが前提として考えるべきで、「善良なそうに見える者」が実は「特定の」拘禁されるべき者である可能性は排除できません。
したがって、「善良な者」であってもリスクは想定すべきです。


■女性が、自衛と言うコストを支払わないかんのは、不平等やろ?男がレイプするのは、男の問題やねんから。女がレイプすることについては、女が考えないかんけどねえ。(と性別二項対立はほんとはまずいんだけどね。(font-da さんより)
問題は常に起こることを前提に考えた場合、「男がレイプするのは、男の問題」だからといって全てを男性の側の問題として放りだしてなんの対策も立てないことに問題を感じませんか?
放り投げることで問題が解決するならそれで良いのです。
しかし、問題は必ず起こります。
そうして問題が「おこってから」では対策はできないのです。
ですから、被害に遭わないために様々な自衛の措置は講じて欲しいのです。



追記3:
■うわあ、もう曽根綾子関係ねえ/武術や武器が即「護身」になるという幻想はどっからくるんだろう(bando_alpha さんから)
武器・武術に関してはあくまで一つの例で、最終手段です。
むしろ、武器・武術に頼らなければならない状況は詰む一歩手前です。
そういうのを使わないと回避できない様な状況になる前に手を打つべきです。
奪われて、利用される可能性もありすしね。


■自衛厨は自己責任厨の亜種だった。ブルカを着ずにタリバンに殺されるのは自己責任?。言っているのは逆に自由な社会の否定。幼児期の全能感がまだ消えない?自分も出来ない事を平気に主張するなんて牟田口だよ。 (usi4444 さんから)
殺されるとわかっていてブルカを着ず殺されるってのは自己責任でしょ、殺される可能性を明確に理解しているのにリスクを軽視して殺されるのは自分の選択でしょ?
どう選択するかは自由だけど、殺されるってリスクが現実があるのにそれを無視して他人に責任を押しつけるのは間違いかと・・・
自由な社会の否定なんてことは全然していなくて、自由にすればいいけど自由にしたことでおきた結果は自分の責任で片を付けろと・・・
自由と責任は表裏一体だと個人的には考えてますよ。



追記4:
■一連の議論を読んで
自分自身を危険から遠ざけようとか、最後に自分を守れるのは自分だけとか、こう自分自身を守るためにするべきことはしておくことっていうごくごく当たり前の観点が無いような気がしてならない。

自衛のためのコストをかけるのは何のためか?
自分自身が安全であるためではないのか?
安全というモノはコストをかけて手に入れるのであって、国や他の誰かがタダで提供してくれるモノではない。
そのためのコストをかけないのであればそれ相応の安全しか得られないことになぜ気がつかないのだろうか?

まさか、九条教のお花畑だったりはしないよな?



追記5:
■最終的にあなたを守ってくれるのはあなた自身しかない/のに人に助けを求めて「自衛」しろとは何て矛盾。(tokukumimama さんより)
えーと、どこに論理的矛盾がありますか?
人に助けを求めることをする主体は誰?あなた自身ですよね?
あなた自身が他の人に助けを求めることで、自らの身を守ることを「自衛」ということになんの問題があるのでしょうか?
逆に、あなたが助けを求めることができるのにもかかわらずそれをしないと言うのであればそれは自らの身を自ら危険にさらす行為でしかないのではないでしょうか?

もしかして自衛という言葉について何か大きな勘違いをされています?
あなたのいうその「自衛」って危険があったら全て自分の手で何もかも排除しろ、おそってきたら全て自力で殴り返して撃退しろって言う意味で使ってませんか?
そんな非現実的なことは求めていません。



追記6:
■「安全というモノはコストをかけて手に入れるのであって、国や他の誰かがタダで提供してくれるモノではない」夜警国家すら否定するアナキストさん。革命がんばってください><(sillyfish さんから)
「安全というモノはコストをかけて手に入れる」というのはまさにその通りです。
安全は「国や他の誰かがタダで提供してくれるモノではない」というのもまさにその通りです。
国が提供してくれる治安維持機能は決してタダではなく、社会的合意に基づいて税というかたちでコストを支払って手に入れているモノだと私はそう考えます。
私は「水と安全はタダ」だという意識にはどうしても違和感を覚えてなりません。



追記7:
id:meiwakoko さんの下記の記事が、まさにそうだそういうことが言いたいんだという記事なのでびっくりした
・・・うーん、こう理路整然と文を書ける人がうらやましいわ〜〜

なぜ強姦魔のために女性の側が行動を制限されなければいけないのか - 左翼というのはプライドたりえるのだろうか
http://d.hatena.ne.jp/meiwakoko/20091206#1260110297



追記8:
■>女性は守られて「当然」なんて幻想は捨ててくれ/女は襲われて「当然」だから自衛しろってなんて考えを捨ててくれ(m_and_g さんより)
うーん、女は襲われて「当然」とそう考えるのには賛成できません。
ちなみになにゆえ、「自衛」ということが拒否感をもたれるのか、今ひとつ自分にはぴんときません。


■いや、だから、君から見たらたりないかもしれんが最低限の自衛はしてたとか、ちょっと油断したとかあるじゃん。それで襲われた被害者がいる目の前で「アレが足りないこれをしてない、油断が悪い」っていうのかいな? (fjsk さんより)
そんなことを言う気は毛頭ありません。
自衛することで回避できる可能性があがるのであればそれを、誰のためでもなく自分のためにするべきだとそういっているのです。


■コメントした。ぜひ多くの方に読んでいただきたい。(y_arim さんより)
ありがとうございます。
まさか、有村さんからブックマークがもらえるほど論議の環が広がっていたとは思いませんでした・・・


■今見たら大トリであのわざわざ招待状付きで公開オナニーショウをしてた奴を持ち上げてたよ(;´д`)。(genovese33 さんより)
・・・いろいろ、問題のある物言いをする方だとはおもいます。
・・・が、素直に、そう、そういうことが言いたいんだというたとえをしていたので・・・


■有村さんのコメント。走って逃げられない声も出ない金的蹴教えても蹴るまねどころか,自分を襲おうという人であっても叩くこともできない人も普通にいる。できないなら終わりだと言われてしまう既存社会をなぜ固定? (complex_cat さんより)
もし、「自衛だけしてれば良いんだ」と言っているように聞こえたならすいません。
もちろん、社会的にいろいろなそういう犯罪を起こさせないようにする措置の整備を進めていくことはやる前提での話です。


セキュリティホールほったらかして、利用者にウイルスソフト買え、としか言ってないんですけど−、ていうか、ウイルスソフトって何ですか、アンチウイルスソフトですか、みたいなー(AmanoJack さんより)
社会のセキュリティホールがあるなら社会的な合意を得て塞ぐべきだし、アンチウィルスソフトで身を守れるなら身を守るべきです。
まあ、社会のセキュリティホールは見つけたら自分で直すなり、声をあげるなりしないとなかなかふさがらないので大変ですが・・・


■知障は予備拘束すべきと聞いて(nekora さんより)
うーん、それは個人的にはするべきではないと思います。
あくまで、社会的な合意の範囲内で物事を進めるべきだと思います。
・・・まあ、日本でもハンセン病関連などで人権を無視した政策を社会的な合意の範囲内でやってしまった大いなる間違えとかもあるんですけどね


■「襲われるような場所に行かない」←犯行現場が自宅の場合は?(近親者、強盗) 2「走りやすい靴」←室内で靴は履きません 3「最小限の護身術の習得」←被害に至るまでの時間稼ぎにしかなりません、それが現実です。(kananaka さんより)
だからといって、何もしないで襲われたからといってそれを犯人以外のせいにするのは誤っていると思います。
たとえば、多少でも時間稼ぎができれば、逃げ出したり助けを求めたりするチャンスは増えますよね?
その時間稼ぎで助かる可能性を無視してだから「自衛は無駄」というのは誤りだと思います。


■1回襲われてみたら?多分、身体がすくんで逃げるのもままならないと思うよ。(hokuto-hei さんより)
なら、あなたはおそわれたらどうすればいいと思うのですか?
無抵抗で殴られ辱められる方が自衛することで回避しようとすることより良いと言いたいのでしょうか?
できないできない、無駄だ無駄だと言うのは自由ですが、そういっている限り何にもできないんじゃないでしょうか?
まずは、できることから少しでもやっていくって事は悪いことでしょうか?


■その他
えー、思った以上に長いエントリーになりました。
どこまで続くのか自分でもよくわかりませんが、賛成、反対を含めいろいろな意見がでてきて意味ある論議のできるエントリーになったと思います。
これからも、いろいろ意見を聞かせてもらえると助かります。


全ての、ユーザに感謝を・・・



追記9:
■建設的な議論のためには「現状がこうだから・・・」というのはすごく大切なんだけど、それはともすれば現状肯定になりがちだしとられがちだし、難しい。/建設的なバイアスと「変える」バイアスは違うのか。(suzuchu さんより)
もし、現状を肯定して、そう言うことがあるのは問題ないと言っているのであればその認識を「変える」というのは正しいことだと思います。
しかし、私の肯定していることは「そう言う問題が現に起こっている」ということだけなのですが、そう受け取られていないとすると悲しいです。
そして、問題が起こっているということを前提に、どう問題を無くしていくか、少なくしていくかという建設的な話ができる世の中になって欲しいです。


■その理論でいきゃ、桶川ストーカー事件も小学生が京進の塾講師に刺し殺された事件も「リスクを過小評価した」自己の責任」っつーことになるよな。どんだけアホな話なんだよ。(Amerikan さんより)
違います、ブルカのたとえは「明確に危険であることが誰の目にも明らかにわかっている」ことであるから自己の責任なのです。
当人にとって未知のリスクに対して備えること、用心することは難しいというのは明らかなので、それに対してまで自己の責任を云々する気はありません。

何というか、私が事故の当事者を責めているように見えるとしたらそれは勘違いです。
事故を知っている他の大勢の人間がなにも用心しないのだとしたらそれは問題だとくりかえし述べているつもりです。


桶川ストーカー事件に関しては最大の責任は幾度となく警察署に相談し告訴状を提出していたにもかかわらず、なんの対策も立てられなかった警察にあるんじゃないでしょうか?
まあ、この事件を機に、「ストーカー規制法」が制定されたので、制定前は警察も随分動きにくかったのではないかとは思いますが・・・
んで、これの件ってまさに私の理想とするところで、事件をいろいろと調べていった結果、現行の法律では警察は動きにくいという問題が判明し、それの問題を解決すべく、社会的な合意がとれて晴れて対応する法律が作られたという、1人の死がその先数千人の命を救った一つの例ではないかと思います。
もちろん、殺害された方がいないことが最善なのでしょうが・・・


■男性蔑視と差別というエントリータイトルで、ブログ主の性根は大体想像ついたが…(kowyoshi さんより)
「強姦するのが男の性なら去勢するのが自己責任でしょ」という言説は皮肉とは言えど、男性一般に対して去勢しろと強要しているわけですから差別的だし男性蔑視だと思うことに何の疑問も感じませんが・・・?


■「もし、『自衛だけしてれば良いんだ』と言っているように聞こえたならすいません」わたしもそう聞こえました。(mike_n さんより)
そう聞こえたのだとしたら私に文章力不足です。すいません。


■シンプルな疑問なのですけれど。「最小限の護身術の習得」←「最小限」とは? ちゃんと記述出来ます? / 護身術って、少し真面目に考えると隘路にはまり、そう簡単に論じられなくなる分野だと思うんですけどね。(ublftbo さんより)
相手をひるませ、逃げるための隙を作れれば十分かと
最善はそういう状況になる前にとっとと逃げ出す事ですが・・・


■こういう人がカツアゲや喧嘩売られた時の護身術(笑)とやらを見てみたい。/自衛論ぶち上げる人が、悪いけど自身は暴力とかに超弱そうな人ばっかりなのが笑える。(watapoco さんより)
三十六計逃げるに如かず
それができない状況でもそうできる可能性があるなら、自分の逃げ道を作るように動くかな?


■「水と安全はタダ」←イザヤ・七平君の亡霊はしぶといなぁ。(chochonmage さんより)
他国からの攻撃を防ぐための自衛隊(軍隊)を養うのも、治安維持機能としての警察機構を存続させるのも我々がコストを支払わねば実現できないことであることは事実かと・・・


憲法九条の支持を表明すると即、無抵抗主義者だと脊髄反射するみたいなものか。(parallel-world さんより)
九条教の下りは無防備都市宣言などの無防備だと宣言すれば自分は安全だ、こちらから攻撃しなければ相手も攻撃してこないという考え方を皮肉って頭の中がお花畑だと言っているものです。
私は、憲法九条の精神は支持しますが、だからといって自衛隊は不要だ、あんなものは憲法違反だという論議は支持しないという考えを持っています。
もちろん、核軍縮クラスター爆弾禁止条約などのように各国がお互いに協調しつつ手持ちの戦力を少しずつでも減らしていこうという考えも支持します。


身近に北朝鮮のような危険な国家が存在しているのにもかかわらず、必要以上に他国を信頼し防衛力の維持に力を入れず、結果として戦争を仕掛けられるようなことが望ましい結果だとは思いませんしね・・・


■いかん、無防備だ(こいつの頭が)(hit-and-run さんより)
あ〜、ご心配ありがとうございます。



追記10:
■”ぼくのかんがえたじえいさく”がことごとくありきたりなのが笑えるな。ほんとに女性がこういうこと考えないとでも思ってるんだろうか? まあ、せいぜい鼻の穴おっぴろげて恥晒してくれ。(uchya_x さんより)
まあ、ありきたりでしょうね〜、ざっと考えつく(=数秒で思いつく)基本的なことしか書いてませんし・・・
ただ、この基本的なことをしっかり守っている人(特に装備面)ってあんまりいない印象がありますけどね・・・


ああ、ありきたりじゃない自衛策を何か知っているのであれば教えてもらえると助かります。


■「僕が自衛の方法を考えてあげたから実行してね」って、周回遅れもいいところ。いまさらそれをあえて「僕がいいことを言った」つもりで書いちゃうブログ主の頭の中身が決定的に(自主規制)。(quix_que さんより)
いまさらだからといって、実際マッチポンプな話ばかりでまともな話ができない状況は全然変わっていないわけで・・・
批判するだけ批判しているのばかりでどうやって身を守るべきかって論議がまともにされているのをいまだにほとんど見たことがないんですが・・・



追記11:

自衛について
http://blog.livedoor.jp/entertheotaku/archives/51701595.html

このあたりも、私としてはかなり賛成できる。


追記12:
いったんまとめ直してみる。

■主張

  • 最終的に自分のみを守れるのは自分自身だけだから、常に自衛はすべき
  • 「自衛の手段の論議」と「自衛しなかったことによるバッシングの論議」は明確に分けるべき。
  • 「犯罪に巻き込まれることの責任は被害者にはない」


■疑問点

  • 二次被害論」で「自衛論」を拒否するなら、犯罪に巻き込まれる女性はどうやって犯罪を避ければ良いのでしょうか?
    • 「自衛論」以外でこの質問に納得のできる答えを出せた人は今のところ一人もいません
  • 「身を守れ「なかった」ことに責任はないんだ」と言い続けないのはなぜ?
    • 二次被害を解消する一つの手段だと私は思うが、二次被害を助長するので認められないというその理由が納得できない。
  • 「身を守れ「なかった」ことに責任はない」と言うことを「自己責任論」とねじ曲げて解釈するのはなぜ?
    • この手の「自衛の手段の論議」と「自衛しなかったことによるバッシングの論議」を分けず、マッチポンプを繰り返すことでねじ曲げているのでは?


一部だけが先鋭化、過激化し、他者の意見を受け容れない


■これまでしてきた主張の整理

  • 「リスクを感じるのであれば自衛すべき」
  • 「リスクを想定しないのは自己の責任」
    • 「犯罪に巻き込まれることの責任は被害者にはない」
      • 「全ては加害者の責任」
      • 「加害者以外のせいにするのは誤っている」
  • 「リスクを回避するために払うべきコストは自分で払え」
    • 「コストを払うかどうかは自分の判断で選択すべき」
    • 「合意無しに他の善良な他人にコストの支払い求めてはならない」
      • 「ある一定の合意の元にコストを負担することには賛成」
  • 「リスク回避のための方法は一つではない」
    • 「基本は三十六計逃げるに如かず」
    • 「リスク回避のための方法は複層的に積み重ねること」
    • 「社会的合意を取り付けていくこともリスク回避の手段の一つ」
    • 「完璧なリスク回避の方法など無い」
    • 「自衛だけしてれば良いと言っている訳ではない」
      • 「他の方法で守れる部分があるのであれば、他の方法も平行して検討すべき」
  • 「情報は全面的に公開して情報を共有していくべき」
    • 二次被害、プライバシーへの配慮は必要」


■「自衛論」に関する論点の整理

  • 「自衛なんてしてる」
    • 「じゃあ、いろいろな新しい方法とか論議してそれを取り入れながら自衛を続けようよ」
      • 二次被害論」による反論
        • 「議論は無意味」とする立場
          • 「自衛の議論なんて二次被害出すだけなので無駄だ」
            • 「対案も無しに切り捨てるな」
          • 「守れる範囲が狭い or 完璧には守れないので無意味だ」
            • 「部分的でも守れるなら意味がある、完璧を求めるのは無意味」
        • 二次被害を優先すべき」とする立場
          • 「最優先とは思わないが、対応はするべき」
            • 「優先して行うべきは身を守れ「なかった」ことに責任はないことを広げていくこと」
        • 「議論は続けるべき」とする立場
          • 「巻き込まれ「た」ことの責任の追及を止めさせよう」
      • 「習得に時間がかかりすぎる」という反論
          • 「護身術や武術の習得だけを自衛と呼んでいるのではないので誤解から出る結論」
      • 「何を優先して論議するか」という議論
        • 「カバー率、実行可能性、即効性の3つの軸で優先順位付け」
          • 「自衛を最優先として二次被害の問題も平行」にすべきという意見
            • 「自衛で守れるものを守りつつ、時間をかけて二次被害を減らしていく」
          • 「自衛のための議論は封印して二次被害の問題が最優先」にすべきという意見
            • 「実現に何年かかるのか?その間、自衛のための議論は封印して被害をふやし続けることが正しいのか?」
  • 「抵抗すると被害を拡大する可能性があるので無抵抗の方がマシ」
    • 「その覚悟があるなら、自衛を求める気はない」
  • 「他にも論議するべき事がある」
    • 「助けを求められた側の対応も論議が必要」
      • 「互助論として別途議論すべき」
    • 「性犯罪を受けてしまった後の対応も論議が必要」
      • 「事後論として別途議論すべき」


■性犯罪における傾向の整理

  • 「服装は関係なく抵抗しなさそうな人の方が襲われやすい」
  • 「知り合いからの犯行が9割程度存在する」・・・出典不明
  • 「本格的に狙われたら防御する側は不利」
  • 「実際に発生している事件の件数は認知件数の7倍程度存在する」
  • 二次被害者の自殺率は最大でも2〜10%」・・・

注:ただし、一部は出典が不明なため要検証


■その他公的資料

上記135ページより

    • 平成18年における強姦 被疑者と被害者との関係別 検挙件数の推移より
    • 面識無しの場合が61.6%、それ以外(面識有り)が38.4%となっている。
    • ただし、検挙された事件のみが対象でかつ暗数に関しては考慮していない点は注意が必要。
    • 上記の「知り合いからの犯行が9割程度存在する」とは明らかな傾向の違いが見られる

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